「技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」
ハイジュエリーブランド「ヴァンクリーフ&アーペル」の展覧会が、
京都の国立近代美術館で開催したので見てきた。(もう終わっている)
私は首都圏に住んでいるので、京都までは新幹線で行くのが一番早いルート
なのだけど、往復2万くらいかかってしまう。
今年は引っ越ししたこともあって、あまりお金を使いたくないんだけども、
ヴァンクリーフ&アーペルのハイジュエリーは買わないと間近で見れないし、
2万円じゃ絶対にジュエリーは買えないので思い立って日帰りで行くことにした。
ヴァンクリーフ&アーペルのジュエリーといえばミステリーセッティングが有名で、
是非間近でパイオニアの技が見たかった。
今回の展覧会の会場デザインが建築家の藤本壮介氏というのも、
わざわざ京都まで行って見たかった理由の一つ。
会場は全3章仕立てになっていて、ジュエリーが時系列に並んでいて直感的に
理解しやすい会場構成だったと思う。
特に2章は近代のジュエリーだったけども、展示ケースが藤本氏のインタビューでも
触れられているとおりレイヤー上に展開していたのが良かった。
展示品では、個人的にはシガレットケースが素敵だと思った。
喫煙者も減っているし、私も喫煙はしないのだけど、シガレットケースからシガレットを出して吸う、というのは何だかとてもエレガントな仕草な気がして憧れる。
多分「華麗なるギャツビー」とかの時代なので、デザインもアールデコを感じさせるものだったりして、ネックレスやイヤリングなどのアクセサリーとはまた違う魅力があった。
2章の展示で良かったのは、ハイジュエリーはもちろんだけどヴァンクリーフ&アーペルで働くデザイナーをはじめとする職人のインタビュー動画がすごく面白かった。
これをDVDにして売ってくれたら買う!と思ったんだけど、オフィシャルサイトに
動画が掲載されていた。(日本語字幕あり)
この動画、職人がどんなことを考えながら製品を作っているかが伺えてとても興味深い。
高い商品を扱っているからか、名前は伏せたり顔は出さなかったりしている。
ある職人はインタビュー動画の中で「友達にも何の仕事をしているか詳しく話さないし、毎日違う道を使って帰宅している」とのことで、相当気を使っていることがわかる。
展覧会でいいなと思ったポイントは、ミステリーセッティングの裏側も見せる展示をしてくれたこと。裏側は画像じゃ見れないのでとても貴重だ。
こんな風に留まってるんだなあ…と感嘆した。プロが見たら違う印象なのかもしれないけど…。
展覧会の図録は通販でも買えるようで、きれいな写真でじっくり眺めることができ、読むところも多いのでジュエリーに興味がある人は買いの一冊だと思う。
意識の高いプロの技術が詰まった、ヴァンクリーフ&アーペルのジュエリーが欲しくなったけど、気軽に買えるものではないのが残念。
宝石ってきれいだけど、それだけでなく、職人の話とかが出てくると俄然説得力を増して、購買意欲に繋がるので、ヴァンクリーフ&アーペルは地味にPRが上手いと思う。
ティファニーとヴァンクリーフ&アーペルでは、日本だと前者のほうが知名度が高いと思うけど、この展覧会を見たら前者より後者の商品が欲しくなるんじゃないだろうか。
私の懐事情では、ヴァンクリーフ&アーペルのもので一番手が届きそうなのは、アルハンブラシリーズと香水くらい…。